外来診療

以下に脳神経内科の代表的な疾患を挙げます。
それぞれ、症状や治療方針について簡単に説明していきます。

パーキンソン病
パーキンソン病では、手足が震える(安静時振戦)、筋肉が硬くなる(筋強剛)、動きが鈍くなる(動作緩慢)、体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)、といった症状がみられます。顔の表情は乏しく(仮面様顔貌)、歩行は小刻みで前傾姿勢となり、便秘や立ちくらみ(起立性低血圧)もみられます。治療の目標は治すことではなく、症状を緩和させて、その人に合った生活環境で安全な生活を送ることです。そのため、脳神経内科医が継続して一人一人に合ったお薬の細かい調整をしていく必要があります。本疾患で不足するドーパミンは、適度な運動により放出されることが知られており、お薬の増量を控えるためには継続したリハビリテーションも重要となります。進行期には介護負担が大きく在宅療養が困難になる場合が多いため、専門施設への入所を御検討下さい。進行期にみられる幻覚・妄想、認知症、起立性低血圧、衝動制御障害(病的賭博・性欲亢進・買いあさり・過食・常同症)などにも適切な薬剤調整にて対応させて頂きます。
認知症
アルツハイマー病などの認知症では、まず簡単な問診の検査を行います。さらにCTやMRI、また脳の血流をみるSPECTなどの画像検査を行い、診断を確定します。早期に内服治療を開始することで、認知症の進行を遅らせることが出来ます。認知症が進行してしまった場合、不安・抑うつ・せん妄・徘徊・幻覚・暴力・不潔行為などの周辺症状がみられることがあります。お薬や生活環境の調整で改善出来る場合もありますので、まずはご相談下さい。
片頭痛
女性に多く、“ズキン、ズキン”と表現される拍動性頭痛が特徴です。嘔気を伴うこともあり、痛みは4~72時間ほど持続します。片側が痛むことが多いですが、両側が痛むこともあります。約2割の人には、閃輝暗点と呼ばれる前兆がみられます。具体的には、頭痛が始まる直前にキラキラしたギザギザの光が目の前に現れ、次第に広がって先が見えにくくなります。この閃輝暗点は約20~30分持続し、消失すると頭痛が始まります。頭痛発作の頻度が多い方は内服治療にて予防します。適切な内服による予防治療を受けた後でも、過去3ヶ月において、月平均で4日以上の発作がみられる方は注射製剤による予防が可能です。注射製剤の予防効果は非常に優れていますので、片頭痛でお困りの場合は是非ご相談下さい。
脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)
突然の激しい頭痛、片方の手足の麻痺やしびれ感、言葉が出ない、呂律が回らない、ものが二重に見える、ふらつき歩けない、などの症状の場合は脳卒中が疑われるため、すぐに病院を受診して下さい。診察にて脳卒中が強く疑われた場合は、速やかに基幹病院と連携をとり、救急外来を紹介させて頂きます。基幹病院にて急性期治療を受けた後、運動麻痺が重度の場合は回復期リハビリテーションを経て、在宅療養となります。その後も定期的な診察が必要になりますので、外来通院にて対応させて頂きます。